Project LuNaML — 現況 / 2026年8月8日

制度を与えずに、
会話は生じるか

Minecraft の世界に 4 体の自律 LLM エージェントを置く。役割も、目標も、 会話の規約も、協力の仕組みも与えない。与えていないものが、それでも現れるかを観測する。 知覚・推論・決定・行動・結果のすべてを追記専用のログに記録し、 結論はそのログだけから計算する。

観測走行
27
累計時間
19.1 時間
記録イベント
275,850
発話
46,263
回帰テスト
135
撤回した主張
6

いま動いているもの

3 台が別々の問いを並行して走らせている。2 台は同じ問いの反復、1 台はモデルを変えた腕。 各台は別々の Minecraft サーバを同一シードで立てる — 同じ世界に繋ぐと 8 体が相互作用し、独立した反復にならない。

反復 A

Windows / RTX · qwen3:8b

名指しは次の決定を変えるか(事前登録済み追試)

3 走行完了。開始距離 37.6 / 37.0 / 40.3 m、整合性検査すべて通過、除外ゼロ。

反復 B

MacBook Air M2 / 24GB · qwen3:8b

同上

2 走行完了。ただし同じ 45 分で決定数が Windows の 1/5 にしかならず、統計的にほとんど寄与しなかった。次から反復に数えない。

一般化の腕

GTX 1660 SUPER / 6GB · qwen3:4b

この効果は 8B に固有か、小さいモデルでも出るか

VRAM 6GB では 8B が記憶窓を削られるため反復には使えない。条件を一つだけ変えた腕に充てている。4 走行目が進行中。

わかったこと

主張はすべて帰無モデルを持ち、同一条件で 3 本以上反復されていなければ書かない。 この規則は 6 回の撤回のあとに作った。

暫定 追試済

名指された個体は、次の決定で話者を向く

発話は 97% が全員に届く。だから「聞いた/聞いていない」の対比は作れない。 代わりに使えるのは、全員が聞くが名指されるのは一人という非対称である。 比較は一人の聞き手の一瞬の中で閉じるので、走行間のばらつきは原理的に入らない。

宛先 +22.9% 帰無中央 +17.7% p = 0.0003 (5走行 / 48層)

仮説・指標・帰無・閾値・除外基準を、走行を一本も取る前に登録して commit した。 結果はその閾値を超えた。

ただし 1 走行に依存している。 事前登録に併記した leave-one-out 検査で、5 本のうち 1 本を抜くと p = 0.3664 になる。 その走行が識別可能な観測の 55% を持っていた。強い追試ではない。

確立

行動は走行ごとに桁で振れる

同一条件・同一シード・同一コードで、資源採取は意思決定ターンの 0.370% から 5.150% まで動く。 変動係数 105%。

これは失敗ではなく、このプロジェクトで最も確実な事実である。 そして他のあらゆる主張を殺してきた制約でもある。 走行 1 本や 2 本の比較は、この分散の下では何も言えない。

所見

系は「何も起こさない相互追従」に吸収される

3 時間走行の後半 2 時間は、全決定の約 9 割が すでに隣にいる相手を追うという選択で占められる。 その 89% は一歩も動かず、87% は相互だった。

24 ブロック離して配置しても集まる。ただし 92m 以上離して始めると、彼らは一度も出会わない。 凝集は普遍的な性質ではなく、開始距離に条件付きである。

撤回した主張

いずれも走行 1 本、または帰無モデルを持たない指標に基づいていた。 撤回はこのプロジェクトの主要な成果物である。 観測系が信頼できるかどうかは、何を主張したかではなく、何を取り下げたかで決まる。

  1. 01能力の壁単一走行
  2. 02社会的吸引点帰無モデルなし
  3. 03機会の不取得分母が誤り
  4. 04情報の伝播走行間置換の帰無で消滅
  5. 05露出量を増やせば事象が増える過程が定常でなかった
  6. 06物質的関与は 30 分で完全に停止する自分で取った次のデータが反証した

見つけて直した測定器の欠陥

差はいつも世界ではなく測定器の側にあった。このプロジェクトはデータ不足ではなく、 測定器の未成熟に律速されている。

1 決定が複数の発話に重複計上

長い生成の間に届いた発話がすべて同じ決定を主張し、その決定が処置と対照の両方に入っていた。直すと最大の走行の効果が +25.3% から +1.1% に崩壊した。

初期配置が走行ごとに外へ流れる

サーバはボットの最終ログアウト位置を覚えている。世界をリセットせず反復すると、開始位置が 35m から 173m へ広がり、4 体は一度も出会わなくなった。

ブロック破壊数は関与量ではない

経路探索が地形を掘った分を含む。意図的な採取の割合は走行により 9.6% から 73.2% まで動いた。ある走行では最大の破壊要因がエージェントですらなかった。

コード指紋は条件差の証拠にならない

27 ファイルをまとめてハッシュしており、走行中に一行も実行されない解析コードの変更でも値が変わる。これを根拠にした 10 時間の実験を、実行前に中止した。